2015.03.03
フロー理論から紐解く学びの姿と教育のあり方
フロー理論から紐解く学びの姿と教育のあり方 終了いたしました
―学びの世界に子どもたちを呼び戻すために―
「子どもたちが学ばなくなった」と言われだしてから久しくなります。一方で、変化の激しい不確実な現代社会の到来は、人々に生涯を通じて学び続けることを要求しています。先行きが見えない社会の閉塞感を打ち破り、未来に希望の明かりを灯すには、学びから逃走する子どもたちを学びの世界に呼び戻す必要があるのではないでしょうか?
みなさんが考える「学びの本来」の姿とはどのようなものでしょうか?誰もが幼少期をふり返れば、楽しさの中にこそ学びがあふれていたはずです。しかし、年齢が上がるにつれて、学びを否定的に捉える傾向は強まっていきます。つまり、「学びからの逃走」は子どもたちが成長するにつれて、社会的に学習された結果であると捉える必要があるようです。
子どもたちを学びの世界に呼び戻すためのカギを握るのが「フロー理論」です。フロー理論は、ポジティブ心理学を代表する心理学者の1人であるM.チクセントミハイ博士によって提唱されました。端的に言えば、「時間を忘れるほど物事に没頭し、夢中になって試行錯誤する体験が人間の潜在能力を開花させ、飛躍的な成長をもたらしてくれる」という考え方のことです。例えば、子どもがブロック遊びに夢中になっている時にご飯を呼びかけても無視された経験はないでしょうか?日常にありふれた光景かもしれませんが、実はその時に子どもはフローを体験しているのです。
フロー理論では、何かのための学びではなく、学ぶことそのものに魅力を見出し、充実感を覚え、喜びや楽しさに浸る子どもたちの姿が描かれます。実際に国外内でこれまでフロー理論を組み込んだ教育実践が展開されており、フロー体験が多い子どもほど「学びの土台」をしっかりと築いていることが科学的に明らかにされています。ポジティブ教育の一つのカタチをフロー理論は提示してくれているのですが、まだまだ十分に知られていないのが現状です。
本講座はフロー理論から子どもたちの学びの姿や教育のあり方を紐解く入門編です。フロー理論に触れたことがある方はもちろん、フロー理論を初めて学ぼうとする方の参加も大歓迎です。ぜひ多くの方にフロー理論を知ってもらい、子どもの学びを見つめ直す時間をご提供したいと考えております。学びの世界に子どもたちを呼び戻す方法を一緒に考えてみませんか?一人でも多くの方のご参加をお待ちしております。
<講座の主な内容> ※一部変更の可能性あり
・子どもたちの学びの現状と課題
・フロー理論について
・フロー理論が支持する学びの姿
・フロー理論を取り入れた教育実践とその効果
・私たち大人に求められること
参加者様の声
「フロー理論について幅広く、簡単な言葉で教えていただきとてもよかったです」(スクールカウンセラー)
「全く知識なく参加しましたが、丁寧でわかりやすかったです。教師として子供にフロー体験を提供したいという考えでしたが、私自身フローを獲得できるようにと見方が変わりました」(大学生)
「自分にとっての”楽しさ”に向き合う研修のあり方だったので本当によかったです」(教師・大学院生)
「日々、自分なりに振り返り考えるヒントをたくさんいただきました」(主婦・元教育関係)
「もっと深く学びたくなりました!ものすごくためになりました」(会社員)
講師:緩利誠
緩利誠(昭和女子大学総合教育センター専任講師・日本ポジティブ教育協会理事)筑波大学大学院 人間総合科学研究科 学校教育学専攻を単位取得退学。現在、昭和女子大学 総合教育センター 所属教員を務める。専門は教育学、カリキュラム研究。脳の多様性に基づいた初等・中等教育における才能教育カリキュラムの開発が主なテーマ。個人や組織の強みや価値に着目するポジティブ・アプローチという人材開発・組織開発手法(特にAppreciative Inquiry)を用いて日本の学校教育を変革させる方法についても関心を寄せる。 |