★★ポジティブ教育とは

ポジティブ教育とは?

「ポジティブ教育」とは、新しい心理学の潮流として知られる「ポジティブ心理学」のコア研究である「ウェルビーイングの向上」「レジリエンス(再起力)の育成」「青少年の強みとしての徳性の開発」を教育カリキュラムの中に取り入れることで、学業成績偏重になりがちな学校教育に新たなバランスをとることを目的としています

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『ポジティブ教育では、教育のDNAは、これまでの学校教育で行われてきた知識の習得や知的な達成(Academics)と本質的で有意義な人生の結果をもたらす強みやウェルビーイング(Character & Well-Being) の二重らせんであると信じています。』(International Positive Education Networkより)http://www.ipositive-education.net/

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動画で知る「ポジティブ教育」とは?

ポジティブ教育が必要とされる背景

海外の教育現場では3つの問題に悩まされて来ました。

  1. ストレスを起因としたうつ病の若年化の問題
  2.  学校の授業における学ぶ意欲の低下の問題
  3. いじめをまねく徳性や関係性の問題

そのために、自尊感情教育、社会的・感情的教育、エンカウンター教育などのさまざまな方法が取り入れられてきましたが、その最も新しい研究として注目を集めているのが「ポジティブ教育」です。

ポジティブ教育とレジリエンス教育の関係

ポジティブ教育では、平時においてその子らしく生き生きと過ごせることを目指します。ポジティブ教育の中の一つであるレジリエンスを身に付ける教育(レジリエンス教育)では、逆境や困難にあった時に負けない心をそだてる事を目標としています。

レジリエンス教育が予防であり、ポジティブ教育が促進であり、この予防と促進が機能することで、その子らしさを花咲かせ繁栄(Flourish)させることができるのです。

pe2つの柱:Prevention & Promotion (Kibe & Boniwell, 2015)

ポジティブ教育の便益


過去の学校現場での研究から、ポジティブ教育の導入には以下のメリットがあることがわかっています。

  • ウェルビーイング(幸福度)の増加
  • 自己効力感の高まり
  • ポジティブ感情の増加による創造力、学習力などの良い影響
  • 学校での適応能力の向上と人間関係の改善
  • 抑うつの徴候の低下と心の健康度の向上
  • ストレスや失敗に対しての対処力の強化

国内導入事例(SPARKレジリエンスプログラム)

日本ポジティブ教育協会では、ポジティブ教育およびレジリエンス教育の普及を行っています。

当協会のレジリエンス教育では、主にイローナボニウェル博士の開発したSPARKレジリエンスプログラムに基づいて、日本の文化と子どもの発達に合わせたプログラムを提供しています。

レジリエンス教育の取り組みは大きく注目され、クローズアップ現代、エデュカチオ!、世界一受けたい授業、などにも取り上げて頂きました。

メディア掲載実績はこちらをご覧ください。

<講演・導入実績>

==小学校==

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担任教員による朝の会にてレジリエンス教育

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小学校での特別授業にてレジリエンス講座を実施

(水戸英宏小学校にて)

==中・高等学校==

生徒向け、教員向け、PTA保護者向けなど、レジリエンスをテーマに講演会を開催
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(静岡県焼津中央高校)

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(埼玉県川越女子高校PTA研修会)

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(Teach For Japan 教員研修)

==大学==

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→その他、講演実績は、こちらをご覧ください。

==地域==

親子講座

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親子で身に付けるレジリエンス講座を実施。

新学期に備えて折れない心をそだてよう、レジリエンスの根っこを育てようなど

親子で楽しく学んで頂ける講座等を実施

(伊勢丹cocoikuでの講座より)

 

海外での状況

International Positive Education Network

教員、親、研究者、生徒、学校や大学、企業や政府が一緒になりポジティブ教育を促進していくために設立された団体です。ポジティブ心理学の父と呼ばれるマーティン・セリグマン博士や、当協会の顧問であるイローナ・ボニウェル博士が主要メンバーの一員となっています。

海外での学校導入

海外では、ポジティブ教育を導入している学校が多数あります。その中でも代表的な学校が、ジーロン グラマー スクールにおけるポジティブ教育です。

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ジーロン グラマー スクールは、オックスフォード大やケンブリッジ大などの世界のトップ大学に卒業生を輩出する名門進学校として有名な、南オーストラリアにある裕福な家庭の子女が通うボーディングスクールです。学校全体の課題として、保護者の高まる期待に応え、最高の教育環境を提供するために「学校成績の向上以外の何か」を必要とし模索していました。そこでジーロン グラマー スクールの理事らは「ポジティブ心理学」に注目し、米・ペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン教授と彼の研究所チームをアメリカから招き、独自のポジティブ教育を開発する一大プロジェクトを実施しました。それは、初等科から高等科までのカリキュラムを含む包括的なもの(ホールスクールアプローチ、Whole School Approach)でした。

ポジティブ教育は生徒達のポジティブな感情や徳性などを養うことに焦点をあてています。ポジティブ心理学者の20年以上に及ぶ調査において、その新しい教育カリキュラムの導入が創造力を上げ、批判的かつ論理的な思考を増し、うつの徴候を抑え、生徒の不安障害を解消し、困難や逆境に対しての再起力を養うことが可能なことはわかっていました。

まず手始めとしてジーロン グラマー スクールで働く160人以上の教員がポジティブ心理学の理論と実践法を学習する集中研修に参加。その後、教員はポジティブ心理学の応用を自分の受け持つクラスやスポーツ活動において活用しています。

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ジーロン グラマー スクールにおけるポジティブ教育は
1)ポジティブな感情の経験を増やし、
2)生徒に自分の強みを本人の学校生活と地域での課外活動で活かすことを励まし、
3)将来の人生目的を見いだし、
地域社会に意味ある違いを生み出すために有意義に生きることを奨励することを目的としています。

初等科から高等科までの生徒達は、以下の7つのテーマを網羅する教養科目を学習することになります。

  1. 感情
  2. 感謝
  3. 強み
  4. 創造性
  5. 自己効力感
  6. 再起力
  7. マインドフルネス

さらにより専門科目として「レジリエンス(ペン・レジリエンシープログラム)」が、思春期の生徒が直面しがちな問題を乗り越えるための再起力を培うために行われました。

  • 説明スタイル
  • 思考の罠
  • 深層にある思い込みを知る
  • 思い込みに挑戦する
  • 見解を拡げる
  • 即戦再起力

ジーロン グラマー スクールでは、2011年までに900人以上の生徒がポジティブ教育のカリキュラムを終えました。そして現在では、ポジティブ教育を行う名門校として、当校のブランド形成と他校との差別化につながり、受験者数の急増と生徒の学校満足度の向上、保護者の評価アップと教員・スタッフの定着率増加といったポジティブな結果を得ています。

(参考・引用元: ジーロン グラマー スクールHP)リンクはこちら120Doticon_wht_Right

注)ジーロング ラマースクールにおいて実施されているポジティブ教育およびレジリエンス教育は、弊協会が実施するレジリエンスプログラムと同一のプログラムではありません。